アメリカの小学校・休校対策と自宅学習
新型コロナの影響で3月16日に子どもの学校が閉鎖。同時に自宅での遠隔学習(Distance Learning)が始まりました。息子が通う学校の様子を、アメリカ公立小学校の取り組み一例として紹介します。
休校後の学校の動き
ニュースや友人たちから見聞きする日本の公立学校の様子と比べると、カリフォルニアの初動は早かったように思います。息子の学校は以下のとおり。
- 休校と同時に学区事務局から4週間分の課題(任意)を提供
- 家庭学習のための環境調査・端末とインターネットアクセスの貸出
- 準備期間(4週間・課題提供済み)を経て、クラス単位での遠隔学習スタート / Weekly Distance Learning PlansとZoom Meeting(週2回・各30分)
- 徐々にZoom Meetingを追加(最終的には週4日・全6回・各30分ありました)
- 全13週を経て年次修了
遠隔学習の内容
毎週金曜に翌週分の学習計画(Weekly Distance Learning Plans)がGoogle Classroomにアップされ、それに沿って進めました。主な教材は、YouTube動画、先生の自作ビデオ、学校で使用しているApp、プリントデータなど。所要時間は1年生で1時間半程度との案内(読書とMath Appの時間は除く)。対象は月~木曜日。
- 単語の書き取り(Word Work)15分程度
- 読書(Independent Reading)20分以上
- 読み聞かせ(Read Aloud or Slideshow)
- 作文(Writing)
- 算数(Math)Daily Task, Application Problem, Math App
上記以外に、Zoom Meeting・Daily Enrichment(Library, Outdoor Classroom, Art, Music, Social Emortion)・単発課題(Flipgridでシェアリング)などがあります。また、金曜日は特別課題(Enrichment Activities)が用意されました。
課題の提出・成績評価
息子はK/1(年長と1年生の合同)クラスのため、課題提出は要求されませんでした。ズームで時々シェアする程度。
担任の先生から保護者に繰り返し伝えられたのは「現時点で出来ることのみやってください」ということ。保護者の状況や子どものストレスを考慮し「課題をこなせなくても読み書きを継続していればいい」とも。低学年ゆえの指導。2年生以上は課題提出ありとの情報。
また、全学年 今期の成績評価はつけないと学区事務局より発表がありました。(学年度末、日本でいう3学期にあたります)
終わってみて
遠隔学習は先生たちにとっても初めての試み。緊急事態の中、試行錯誤を重ね、子どもたちが教育を受ける機会を失わないようにと力を尽くしてくれました。担任の先生に至っては、私と息子にとって隔離期間中の心の支えでもあり、本当に感謝しかありません。
しかし、アメリカ全体を見れば問題は山積み。ネットアクセス環境による学習格差、親の協力の限界、生徒のモチベーションや出席率の低下、教師のリモート指導の経験不足、成績評価の方法などなど、ディスタンスラーニングの難しさが浮き彫りとなる結果となりました。低学年になるにつれて、通常時との学習ギャップが大きくなるとの情報もあり、今後のフォローアップも気になります。
8月からの新年度に向け、現在スクールディストリクトで新対応を検討中。見えてきた問題点や相応の準備期間を経て、新しい取り組みがどうなるのか。子どもたちの学習環境がより良いものになることを期待しています。