アメリカの小学校・オンラインでの新学期がスタート
カリフォルニア州、コロナ禍での新学期が始まっています。
新型コロナの感染拡大が深刻なカウンティの学校では、原則 対面での授業再開が認められていません。州の監視リストから、14日間連続して外れることができれば対面学習も可能ですが、リスクも伴うため、大半の学校がディスタンスラーニング(Distance Learning|遠隔学習)での新学期を迎えています。
息子が通う学校の様子を、アメリカ公立小学校の取り組み一例として紹介します。
パソコンは1人1台
本格的なオンライン授業のため、パソコンやタブレットなどの端末は1人1台使用。必要な人にはChromebookやWi-Fiの貸し出しもあります。
春のディスタンスラーニング時は「パソコンかタブレットを使用」という事で、息子は自前のiPadで参加していました。小学校低学年でも扱いやすく使い慣れていたので、今回もそのつもりでいたのですが、学用品受け渡しの際に担任の先生から「ラップトップ希望」と声が掛かり、急遽変更。Chromebookのレンタルも考えたけど、今回は自宅のパソコンを活用することにしました。
個別の学習スペース推奨
集中して学習に取り組めるように個別の学習スペースを用意することを、学校側から推奨されています。
前回はダイニングテーブルで受講していましたが、今回は個室を用意。
春のディスタンスラーニングはフルサポートが必要だったので、初めはひとりで大丈夫か心配だったけど、息子も先生も期待以上に頑張ってくれています。
テクニカルイシューは隣の席の夫が対応。授業で分からない事は先生に質問して解決。今回、私はほぼノータッチです。
使用バーチャルツール
メインで使用しているVirtual Toolsは4つ。
- Zoom
- Google Classroom
- Clever
- Aeries
Zoom
Zoomが提供する、Web会議サービス。毎日のオンライン授業はZoom Meeting上で行われます。
Google Classroom
Googleが教育向けに開発したWebサービス。課題の作成、配布、採点をペーパーレスで簡潔に行うことができます。
学区で全生徒にGmailアカウントが割り当てられているので、それを使ってサインイン。先生からの指示はGoogle Classroom上で確認。
Clever
SSO(シングルサインオン)できる、オンラインリソースやアプリケーションの一括管理システム。ここから、Math AppやReadind App、課題提出の共有アプリなどにログインできます。
Aeries|Student Information System
出席や成績などの生徒情報を、学校と保護者がオンラインで共有できるシステム。
どれもカリフォルニア・ベイエリアに本拠地を構える企業のもの。Aeries以外は、小学校低学年児でも扱えるくらいに作り込んでいて、分かりやすく便利。こういう点はさすがアメリカだな、と感心します。
時間割り
春のディスタンスラーニングでは、毎日30分のZoom以外はWeekly Learning Planにそった自主学習がメインでした。低学年児は自分で管理するのが難しいため、サポート必須。保護者の負担が大きく大変でした。
新学期からは学習プランが刷新され、通常時の学校と同じように時間割りが組まれています。月−金、8:15−14:50は学校の時間。Independent Work Time(自習時間)以外は、朝からZoomを繋ぎっぱなし。
▼TENTATIVE Weekly Learning Schedule(暫定版のため、変更の可能性あり)
P. E.(体育)も週2回あります。もちろんZoomで参加。ボールやぬいぐるみをトスしたり、借物競争やゲーム、その場駆け足など。パソコンの前でドタバタと楽しそうにやっています。
Independent Work Time(自習時間)はオフラインにして、課題に取り組みます。Math Appや書き取りプリントがメイン。
授業の様子
初日は自己紹介をしたり、絵を描いたりと楽しいスタート。開始から数日は、簡単な学習を行いながら、パソコン操作やシステムの使い方を重点的に学びました。他には、オンライン授業でのルールを確認したり、クラスメイトの名前を覚えたり。
テクニカルイシューはあるものの、先生が辛抱強く対応している様子。きっと夏休み中にトレーニングも受けているのだろうと、頭が下がる思いでいっぱいです。
息子は意外にも授業に積極的で、ハキハキ喋り、質問があればキチンと先生に尋ねるそう。進級して張り切っているので、このままの状態が続くことを期待。
まとめ|最後に
新学期がスタートして、1週間が過ぎました。突然休校を余儀なくされた春のディスタンスラーニングと異なり、準備期間があった分、秋の学習は改善され、前回との違いは明白。子どもたちの適応能力の高さにも驚かされるばかりです。
新しいディスタンスラーニングは、思っていたよりも先生と生徒で完結していて、今のところうまく機能している印象。心配事が杞憂で終わってホッとしています。
ただ、依然続く心の成長と運動不足のケアは解決の糸口が掴めず、不安は残ったまま。前例のない生活は正解もなく、不確かな毎日。できるのは、目の前のことを精一杯やるのみ。今が次へつながると信じて、真摯に取り組もうと思います。
1日でも早く、子どもたちが通常の学校生活に戻れるよう、強く強く願います。